「KITAきつね通信」の巻頭を飾る「クローズアップ北区」。3月号は第6地区(王子本町・岸町)の株式会社旺栄を紹介させていただくことになりました。会社の所在地は石神井川のほとり。桜を目当てに多くの人が集う音無親水公園の近くですが、取材時期は肌寒い1月下旬の一日でした。
取材前に公式サイトを拝見したところ、建物総合管理、指定管理者業務、給食受託、レストラン・ランチデリバリー、学生寮運営管理、不動産賃貸、事務機器・教材販売、地域活性事業など、実に多岐にわたる事業を展開していることが分かります。どのような成り立ちなのかが気になり、さっそく宿利武生社長に話を伺いました。すると、明快な答えが返ってきました。もともとは中央工学校のグループ会社として、教育以外の分野を請け負うために設立されたとのこと。校舎の管理や清掃、学生食堂運営、教材の準備……。そうした背景を知ると、事業が幅広く展開されていることにも自然と納得がいきます。
一方で、あまり関連のなさそうな事業を複数展開していることで苦労はないのでしょうか。社長も課題の一つと捉えているようで、社員総会を年2回開催するなど、組織が縦割りにならないよう、事業を横断した社内交流の強化に更に力を入れて行きたいとのことです。部署を横断した連携からは実際にシナジーが生まれることもあるそうです。日常の中で生まれる小さな接点が、新たな協働につながるケースも増えているといいます。。社長は「接点から生まれる可能性がある」と話し、こうした横断的な取り組みを更に強化し、新たな価値創出につなげていきたいという思いを強調していました。
一見、関連のなさそうな事業から新しい可能性を生み出す。そうした社長の考えは、新規事業にも反映されています。その一つが地域産業活性化です。渋沢栄一翁ゆかりの地域にちなんだ商品開発や、本社近くにある渋沢逸品館も、そうした取り組みの一環です。本社でのインタビュー後には、社長自ら店舗に並ぶ商品を紹介してくださいました。新紙幣をモチーフにした「お札パン」は人気商品で、これまで多くのメディアにも取り上げられています。
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ところで、渋沢逸品館の一角に「和凧」や「陶器」などが飾られていることをご存じでしょうか。これらは北区の伝統工芸です。北とぴあで毎年開催されている北区伝統工芸展には足を運んだことがありましたが、「北区伝統工芸」の保存が区の事業として行われていることは、今回の取材で初めて知りました。旺栄は、伝統工芸に関わるワークショプ等も開催して、北区伝統工芸をより多くの人に知ってもらうための協力も行っています。
また、渋沢逸品館に向かう道すがら、「ここも私どもの店です」と紹介していただいたのがお弁当を販売している「ごちそう亭」。北区役所の前にある、あのお店でした。建物総合管理や給食受託と聞くと、取材前はどこか自分とは距離のある事業という印象を抱いていましたが、ところがどっこい。旺栄は、地域に根差した、実に身近な企業だったのです。(広報委員・渡辺文重)